試験に焦点を当てたこれまでの英語教育
中学・高校・大学と何年も英語を学んだはずなのに、それでも話すことができない大人は大勢います。
そのような悔しい思いから、我が子には英語でつまずかないでほしいと小さいうちから英語を習わせるご家庭も多いですね。
英文を訳せる人はけっこういます。それでも話すことはできない、、それはなぜなのでしょう?
※ここで言う「話す」とは、「これがしたい」「こう思う」などごく日常的な英会話のことです。
単純に実践が足りないから・・・?
それもあります。
日本人はシャイだから・・・?
たしかに。日本人はまじめで、失敗を怖がりすぎるのかもしれません。
でも、一番の要因はコレです。
ずいぶん長いこと、日本の英語教育は「話す」ということを目標にしてこなかった!のです。
これまでの英語教育を作り上げてきたオジサンたちが若いころ、町に外国人なんていませんでした。外国人を見れば珍しくて追いかけまわす・・・なんて、遠い昔の話ではありません。その当時、彼らにとって英語はマルバツで採点される科目でしかなかったのです。外人もいないのに、英語を話す必要なんてありませんから。
1.これまでの英語教育はコミュニケーションのためではなく、試験合格のためのものであったということ。
2.そのため、「話す」ために必要な教育がなされてこなかったということ。
大人が何年英語を習っても道案内ひとつ満足にできない理由はココにあります。
しかし、日本が「これから本当に求められる英語力」に対して本気で心を入れ替えたここ数年間。
英語教育は大きく変わり始めました。
通じればOK!の英語教育へ
英語はただの言葉なのだから、本来相手に伝わればそれでいいわけです。
「パーフェクトでなければ」という意識がなくなれば、自由にコミュニケーションができるはずです。
私が通ったオーストラリアの語学学校にはいろいろな国から留学生が来ていました。
レッスンは1~10くらいにレベル分けされていたと思いますが、1~4の初級コースは見事なまでにほぼ日本人。(韓国人も多かったです)
逆にレベル6~に行くと、ヨーロッパ人や中国人、メキシコ人だらけ、日本人は各クラス一人いるかどうか。
中国人もインド人もスイス人もめちゃくちゃ!?な文法と発音で堂々とディスカッションしていました。むしろこっちの方がほんとの英語!くらいの勢いで・・・多少なまっていようと、間違っていようと、通じる!という自信があるんですね。
要は、いい加減な英語でもいいのです。
黙っていては、相手になにも通じません。しゃべれないのと一緒です。
大人も間違いを恐れず、話すことに慣れていかなくてはいけません。
英語は繰り返すことと続けることで上達するもの。どんどんミスをしながら覚えていくのは大人も子どもも同じことです。
Don’t forget English is just a tool!!!
それからもう一つ、決して忘れてはいけないのは、
『どう話すか(how to say)』ではなく『何を話すか(what to say)』が大事なのだ!ということ。
想像してみてください。あなたのまわりにいる外国人が間違った日本語を使ったら、変だと思いますか?間違ってるよ、と指摘したくなりますか?
いいえ、むしろ一生懸命日本語で伝えようとしてくれたことを嬉しく思いますよね。
外人だって同じです。日本人の考えやアイディア、つまり私たちの語る『中身』を知りたいのです。誰も完璧な英語なんて求めていません。
1.正しくなくても通じれば楽しいということ
2.皆はあなたの中身に関心があるということ
この2点がわかると、大人ももっと英語を話したい!勉強したい!と思うのではないでしょうか。
大人たちが英語教育の課題に気づいている今の日本の傾向はたいへん良いと思います。大人たちのこれまでの失敗が子どもたちに生かされています。