こんにちは。みすず英語塾の酒井です。
今回は、文部科学省が2024年5月9日に公表した「令和5年度英語教育実施状況調査」の結果に基づいて、さいたま市の英語教育、特に高校英語について考えてみたいと思います！
さいたま市の中高生の英語力
さいたま市の中学３年生で、CEFR A１レベル（英検３級相当）の英語力をもつ割合は88.4%で、全国１位です。(*･ω･ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ 全国平均は50.0%なので、とても高い数値です。さいたま市の英語教育が、中学３年生の時点で大きな成果を上げていることがわかります。
ところが、高校３年生になると、CEFR A２レベル（英検準２級相当）や県別のCEFR B１レベル（英検２級）にさいたま市や埼玉県はランクインしていません。具体的なパーセンテージは公表されていませんが、中３の高い英語力をその後キープできていないことが明らかです。
これは、小学校英語（GS）→中学英語（GS）→高校英語への積み上げが、うまくいっていないことが原因だと思います。みすゞ英語塾のあるさいたま市大宮駅周辺には、英語が得意な子どもたちがたくさんいます。インターナショナルスクールや幼稚園、英語学童や英語教室に通う子どもは、調査によると２人に１人だそうです。近くに誕生したスーパーグローバル中高一貫校の存在も、英語熱を高めています。
しかし、その英語力が中学、高校、大学へと順調に伸びていくか？というと、残念ながらそうではないケースが多く見られます。たとえば、小学校のうちに英検２級を取得したとしても、その後準１級合格までガンバル人は、ほんの一握りです。中学に上がると部活動が忙しくなり、テスト勉強以外の英語学習に時間を割くことが難しくなります。また、小さいころから英語に触れてきたのに、定期テストの成績が思うように取れず落ち込んでしまう場合もあります。日本の定期テストの点数に、英語歴はほとんど関係ないのが現状です。特に、高校の定期テストは「暗記がすべて！」という感じですので、高校の英語教育には大幅な改善が必要だと感じます。
ますます暗記中心の高校英語(-_-;)
高校の英語テストは、中学以上に暗記中心で出題されます。大量の英文や語彙表現の暗記が求められ、その結果、英語の本質的な理解や実用的なスキルの習得がおろそかになっているように思えます。
改訂された学習指導要領（2018年に公示・2022年度から適用）には、「高校の英語教師は、英語で授業を行うべき」という方針が示されています。「英語の授業では「聞く」「読む」「話す（やり取り）」「話す（発表）」「書く」の４技能５領域を総合的に充実させることで、生徒たちが英語を実際に使用する機会を増やし、コミュニケーション能力を向上させることを目指します」。
しかし、暗記しなければ得点できないテスト、理解していなくても実際に使えなくても、一夜漬けで暗記さえすればOKなテストを作っているのでは本末転倒です。これでは、子どもたちは点数や評定に直結しないスピーキングやライティングの練習を後回しにしたがるに決まっています。総合的な英語力ではなく、暗記力の良さによってすべてが判断されてしまうのですから、英語に対するモチベーションも下がってしまいます。
短期的暗記にたよらない、お家でできる高校生の英語勉強法
🎆テスト勉強はアウトプットしながら行おう
すべて声に出しましょう。「この単語はー、たしかこういう意味だ」「なんでこうなる？あ、こういうことかぁ！」など、喋りながら勉強するのをクセにするんです。デスクも静かな場所も聞いてくれる人も要りません。テキストでも単語本でも、なんでもOK！お風呂でも歩きながらでも、どこでもできます。ぶつぶつと口にしながら行うと、不思議と暗記力は上がります。
🎆コミュ英は音読をサボらない
３０回は音読してからテストにのぞみましょう。テスト前には他の科目の勉強も大変で、英語の勉強時間がなくなってしまうかもしれません。だから、前の定期テストが終わったその日から音読を始めましょう。もちろん、①英語→日本語に訳しながら読む②パラグラフごとに要点を自分の言葉でまとめながら読む などすればもっと効果的です。コミュ英の本文はそのまま出題されて穴埋め問題が多いのですから、対策はかんたんですよね。
🎇複雑な文法よりも基本重視
高校では、参考書1冊が丸ごとテスト範囲になることがあります。また、英文をきれいな日本語に訳すことが求められたりもします。しかし、ここに集中しすぎないでください。その中にはネイティブも知らないような難解な文法や構文が含まれていることが多いからです。テストが終わった瞬間に忘れてしまうものよりも、中学英語から始まる基礎文法を大切にして、繰り返し問題集で学習しましょう。その方が、大学入試や英検の長文対策にもなります。
🎇オンライン英会話
1日30分からできるオンライン英会話は、高校生にこそおすすめです。AIとの英会話もありますが、やはり生身の人間との会話がいいでしょう！
「継続は力なり」言いたいことが言えない→言い方を教えてもらって言ってみる、を繰り返すことで英語は本当に話せるようになりますよ。
